■2019.06.18 One of LoveプロジェクトGIG 2019
『途上国の子供たちに未来の仕事を贈るプロジェクトGIG』in Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

2019年参加アーティスト
仲井戸“CHABO”麗市、TOSHI-LOW(BRAHMAN / OAU)、Chara、夏木マリ、
ichiro(Gt)、山内陽一朗(Dr)、石田純(Ba)、井上薫(Key)、斉藤ノヴ(Per)、
高橋あず美(Cho)、松村瑠璃 (Cho)、minakumari(Sitar)

開演と同時に夏木マリがステージへ。今年のGIGへの思い、そしてOne of Loveプロジェクトの活動報告を行った。2018年度は、水道支援を中心にエチオピアの小学校へノートを750冊、鉛筆120本、ペン120本を支援した。現地の子供達の喜ぶ笑顔の写真とともに、夏木本人から来場客へ報告と併せ感謝を述べた。

いよいよGIGがスタート。本プロジェクトに賛同し、今年で3度目の出演となったBRAHMAN / OAUのTOSHI-LOWが、照れ臭そうな様子でステージへ登場。あまりにもアットホームな雰囲気に圧倒されたのか「この状況、とても難しい。もう三年も出ているのに、毎度ド・アウェーな感じ。本当に帰りたい」と、会場を笑いに包みながら、一曲目は現在ドラマ『きのう何食べた?』の主題歌としても人気の「帰り道」をソロ弾き語りバージョンで披露。会場からは歓声が湧き上がった。夏木が主演し、昨年公開された宮城県石巻市を舞台に震災をテーマに描いた作品『生きる街』。当時その主題歌を歌ってほしいと頼まれたTOSHI-LOWは、夏木からの突然のオファーに戸惑いながらも、震災で我が子を失った友人からの電話によって制作を決意。友人とのエピソードを回想しながら「ナミノウタゲ」を力強く歌い上げ、客席では涙を流す姿もみられた。次曲は、本プロジェクトではおなじみの夏木マリ2002年のアルバム『パロール』から「あなたのいない世界で」のカバー。東北の仮設住宅で一晩中酒を交わした友人が、初めて亡くなった妻を語るという当時の回想とともに、ブルースハープとギターを奏で夏木の名曲を熱演。時折かすれながら歌うTOSHI-LOWの声に会場が熱くなった。そして、ソロ演奏最後は、今年4月に膵臓がんで亡くなった遠藤ミチロウへのトリビュート。「もっと一緒に歌いたかった」と語り、キーボードの井上が奏でる美しいピアノの旋律に合わせ「カノン」を披露した。会場が熱気に包まれる中、夏木をステージへ呼び込む。夏木とTOSHI-LOWが愉快にトークをしながら「どうしても今日歌いたかった」と夏木が切望する曲、本年度アカデミー賞、グラミー賞でも話題となった映画『アリー/スター誕生』で、主演のレディー・ガガとブラッドリー・クーパーが劇中でデュエットした「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」を紹介。会場からは歓声が上がり、和製アリーとジャクソン・メイとも言える、意外な二人のデュエットに一同が魅了された。

夏木は今年初めての試みであるエチオピアと日本の子供たちの交流を紹介。それぞれが描いた絵の交換が渋谷区の協力の元、実現した。渋谷区にの千駄谷小学校とエチオピアのこどもたちによる絵をスライドショーで紹介しながら支援への思いを語った。

続くは、今年初出演のChara。斉藤ノヴ率いるバンドメンバーと、バックコーラスの高橋あず美、松村瑠璃、シタール奏者・minakumariがステージへ。パイプオルガンとコーラスが流れる中、白を基調にしたカラフルなロングワンピースを纏った笑顔あふれるCharaがステージへ。そのまま赤いキーボードを弾きながら「Tiny Tiny Tiny」を披露。愛娘が生まれた時に作ったという楽曲とともにCharaらしい愛溢れるステージが始まった。演奏が終わると「ノヴ兄、昨日お月様みました?」と、前夜のストロベリームーンの話をしながら、スペシャルバンドを紹介。「このようなスペシャルな夜がうれしい」と、誰もが知る名曲「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」へと続き、会場を大いに沸かせた。3曲目は、珍しいシタールのサウンドが鳴り響き、荘厳な雰囲気の中「恋のうたを歌います。もしあなたのお父さんとお母さんがいなかったら、あなたは生まれてなかったかもしれない」と話しながら「しましまのバンビ」を披露。会場からは合唱が生まれた。「マリさん素敵な方なのですね。大好きでーす。今日はみんなに聴いてほしい子がいるんです」と、コーラスの高橋あず美を紹介。頑張っていれば叶えられるという気持ちを歌ったというソウルフルな「BELIEVE」を熱唱し、Charaがバックコーラスとして参加した。会場からは大歓声が上がり拍手に包まれた。「あと一曲になりました。ねえ、ノヴ兄!」と、促すと斉藤がジャンベを持ちステージセンターへ。「ギブ・ミー・ア・ビート!」とCharaが合図を送ると、斉藤を中心にリズム隊がスタート。客席を立ったオーディエンスとともに、しばらくコール・アンド・レスポンスを楽しむと、そのまま代表曲「やさしい気持ち」へ。会場からは歓声と大合唱でCharaのステージは幕を閉じた。

最後の大トリを飾ったのは、本プロジェクトの立ち上げから参加している仲井戸“CHABO”麗市。テリー・エバンス「ザッツ・ザ・ウェイ・ラブ・ターンドアウト・フォーミー」の楽曲に合わせ「雨が止んだら / 俺たちの夏が来る / 音楽の季節が来る」と、熱い弾き語りからスタートし、会場を魅了した。「今日はポール・マッカートニーの誕生日なんだぜ!ちなみに俺はジョン・レノンと一緒なんだ。高校一年の時にビートルズが来日してさ、この曲はずっとやらなかったんだけど、ある日弾いたら、お母さんがいい曲だねって言ってくれたんだ。こんな歌自分でカバーするとは思わなかったけど、イエスタディ歌っちゃうぜ」と名曲を歌い上げた。どうして自分がこのプロジェクトに参加しているのかという斉藤と夏木への思いを語り、今回の会場となった“渋谷”という街の思い出などを回想しながら、20代渋谷で出会ったという短いブルースのカバー曲に続き、実は大好きだったという今年亡くなったショーケンこと萩原健一をカバー。RCサクセションとショーケンが同じテレビ番組に出演したという出会いのエピソードなど、思い出を語りながら「神様お願い」を歌い、オーディエンスは最高潮に盛り上がった。そして、今回の出演者TOSHI-LOWを呼び込み、自身の楽曲「ティーンエイジャー」をセッション。そして、続くCharaとはボブ・ディランの「フォーエバーヤング」をカバーした。最後は夏木とともに、仲井戸が夏木の本からインスパイアされ特別に書いたというご機嫌な楽曲「マリのLet’s Dance」を披露し、大歓声ともに本編は終了した。

最後は、出演者全員がステージに揃い、プロジェクトのテーマ曲でもある「One Of Love」を出演者全員と会場のオーディエンスとともに合唱。夏木は「来年も頑張ります。続けていけるように、これからもOne Of Loveプロジェクトをどうぞ宜しくお願いします。今日は本当に、本当にありがとう」と笑顔で感謝を述べ、今年も愛あふれる一夜が幕を閉じた。

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